指導歴20年以上の現役バイオリン講師が、初級者の素朴な疑問にお答えします。
ボウイング(Bowing)は、運弓法のことです。
弓を弦に当てて、上げ下げし音を出す動きそのものを指します。
正しいボウイングが出来ないと、音がかすれたり雑音が鳴ってしまったりします。
バイオリンの魅力を引き出すには、右手全体の練習がとても重要です。
習い始め間もない頃は、楽器の黒い板の部分(指板)にシールを貼ります。
貼るシールの数は、3つ(A線シレミ)から4つ(A線シド♯レミ)です。
貼るメリットは、短期間で正しい音を目で見て覚えられることです。
貼らないメリットは、時間がかかるけど耳が鍛えられることです。
例えばレッスンの日が水曜日だとすると、木曜日は必ず練習したほうがいいです。
火曜日にあわてて練習してもあまり効果はないです…。
毎日練習が出来れば言うことないですが、出来ない時は楽譜を見て曲を歌ってみるだけでも効果アリです。
楽器の上達=継続は力なりです。
バイオリンの有名なエチュードに「カイザー36の練習曲」があります。技術の上達には欠かせない練習曲ですが、これがなかなかのクセモノ。
全音楽譜出版社の1巻〜3巻のテキストが難しい生徒さんは、篠崎バイオリン教本の中に入っている短めのカイザー練習曲をおすすめします。
それでもどうしても好きになれない生徒さんには、1段だけでも練習してみてほしいです。
譜読みの力をつけるテッパンの教材です!
先生と親御さんの、大人二人がかりで学ぶと技術的な上達は早いですが、子どもの自主性の習得は格段に遅くなります。
学ぶ姿勢と自主的な習慣を身につけるには、普段の練習は子どもに任せ、連絡事項だけをチェックして頂く感じで大丈夫かと思います。
肩当てをして練習してきた先生なら「肩当て無しで弾けない」とおっしゃるはず。
私も肩当て無しでは弾けません。
3〜4歳の小さなお子さんはクッションタイプのものから始めて、5〜6歳頃にはクンやエベレストといったブランドで、楽器のサイズに合った肩当てをご用意されることをおすすめします。
お子さま用の分数サイズは、身長が10センチ伸びるたびに買い替えることになります。
期間としては、1年半から2年ほどで大きいサイズに変わります。
扱いの難しい小さい時期はお手頃価格で、数年習われてコンチェルトなどが弾けるようになった時期はちょっといい価格帯のモノ…といった感じで検討されると良いかと思います。
初級の生徒さんには少し難しい調弦。
糸巻きを回しすぎて弦を切ってしまった…という経験をされた方も多いのでは?
絶対音感がなくても、チューナーで緑と赤のランプを見ながら合わせることが可能です。
スマホのアプリにチューナーがあるので、ダウンロードして挑戦してみてください!
教室に通われる生徒さんには、「年に1回の発表会前には弦を張り替えましょう」とお伝えしています。
楽器店的には「半年に1度の交換」をすすめられるかと思います。
切れていない弦なのにもったいない…と思われるかもしれませんが、手に触れる部分が劣化して、知らず知らずのうちに音色が悪くなっています。
身長に合わせてサイズが替わるので、小さくなって使わなくなったバイオリンを弟妹さんが使われることも多いです。
同じ楽器を習うメリットは、楽器を再利用できて教室に通わせる親御さんの負担が軽減出来ることです。
違う楽器を習うメリットは、音楽性が豊かになることです。
いずれにせよ、自宅練習の時間が重ならないように調整することが求められます。
バイオリンを習われてる方から非常に多く頂くご質問のひとつです。
楽器を2つ習得すれば、良い相乗効果が生まれます。ですが当然のことながら2つとも練習が不可欠です。
1つの楽器を先に習得して、余裕があれば2つ目の楽器…と開始の時期をずらすほうが良いかと思います。
もちろんバイオリンだけ、ピアノだけでも上達されますのでご安心ください!
ソルフェージュは、楽譜の理解などを訓練する、「音楽をやっていく上での基礎づくり」です。
視唱、初見、聴音、楽典の課目があり、習得することで楽器の上達に繋がります。
バイオリンのレッスン内でも簡単に指導してくれる先生も多いと思います。
将来音高音大受験を考えている方はソルフェージュレッスンが開講している教室へ通われることをおすすめします。