バイオリンの練習をしない子供には?

楽しく始めたはずのバイオリンのレッスン。

 

1年2年と続けていくうちに、家での練習がだんだんおろそかになり、親が「練習しなさい!」とついつい口をはさんでしまい、お子さんが不機嫌になるという悪循環を経験したことがある方も多いことでしょう。

 

音楽系の習いごとは、バイオリンに限らず、おうちでの復習と反復練習が必要不可欠です。

 

では、その練習をどのように取り組んだら悪循環を脱出させることができるのでしょうか?ここでは、私自身が多くの生徒さんを指導してきた経験から、練習のヒントをお伝えします。

子供はみんなできなくて当たり前

  • 「音大とか目指す訳ではないのですが、音楽を楽しんで続けられたらいいなと思って…」
  • 「将来ずっと音楽が好きでいてほしいので、バイオリンを習わせたいと思って…」

初めてのレッスンで親御さんに「どうしてバイオリンを始めてみようと思われたのですか?」という質問に対しての期待に胸を膨らませたお答えです。

 

それなのに数年もしないうちに「楽しんで練習なんてできないです。」や「ずっとどころか、日々の練習をさせるのがやっとでケンカになります。」と、理想と現実はかなり差があるようです。

 

親御さんがお子さんに音楽を楽しんで続けてほしいと思う気持ちは本当に素晴らしいです。

音楽は豊かな感性と表現力を育む素材であり、一生涯にわたって心の支えとなることでしょう。

間違いを繰り返してOK!

間違いを繰り返しても問題ありません。

子どもたちはレッスンで初めてのことを学ぶわけですから、最初から完璧にできることはまずありません。

 

1回弾いて間違えても、2回弾いて間違えても、3回弾いて間違えても、それはとても自然なことです。

 

間違えたり、うまくできない状態でも、次のレッスンまでに持ち越しても構いません。

それを6日間(1週間ごとのレッスンの場合1)繰り返して、次のレッスンで先生に聴いてもらうのが良い方法です。

 

先生はどこがまずいのかポイントを絞って効率よく指導してくれます。

子どもは先生の言うことは口答えせず素直に聞くものです(笑)!

 

練習は一朝一夕で上達するものではありませんが、忍耐強く取り組むことが大切です。

子どもたちが自分の成長を実感できる瞬間が訪れるはずです。

親は言いたくなる気持ちをぐっと抑える

親御さんは、「そこ、さっきも間違えてた!」、「音程、悪いんじゃない?」、「いつになったら練習始めるの!」などと思ってしまう気持ちをぐっとおさえてください。

 

子どもたちは自分で間違えたことや音程が悪かったこと、今日まだ練習をしていないことを自分で分かっているのです。

 

子どもたちにとって一番嫌な言葉は「もう一回弾きなさい!」です。

 

私も講師として、大人の立場からは「今あと1回やればうまくできるのに…」と思うことがありますが、子どもはそうではありません。。

 

子どもたちが自主性を持って楽しく練習を続けられるように、親御さんは声をかけるタイミングに気をつけてみてください。

 

子どもたちが自分のペースで練習を進め、楽しく取り組めるようにサポートしてあげることが大切です。

親御さんの温かい見守りと応援が、子供たちの練習意欲を高め、音楽を楽しんで続ける力につながることでしょう。

 

練習を楽しい時間として捉え、子供たちが自分の成長を感じられるように心がけましょう。

子供たちが自信を持って取り組める環境を提供し、少しずつ成長していく姿を見守ってあげてください。

同じ時間にやる習慣を作る

家での練習を効果的に続けるためには、学校の時間割のようにバイオリンの練習時間を固定することが非常に重要です。

 

特に小さなお子さんは、練習時間を日常の習慣に組み込むと、自主的に練習に向かうことが増える傾向があります。

 

朝ご飯を食べたら歯磨きをする、顔を洗ったら洋服に着替える、おもちゃを出して遊んだら片づける…。

日々の習慣にバイオリンの練習時間を取り入れてみてください。

 

例えば、毎日の夕食後に30分間のバイオリンの練習時間を設けるといった具体的なスケジュールを立てることで、子供たちは自然と練習に向かうことができるようになります。

 

このような習慣を作ることで、バイオリンの練習が子供たちにとって当たり前のこととなり、苦痛ではなく楽しい時間として捉えることができるでしょう。

朝に練習する方法

朝にバイオリンの練習を取り入れる方法として、幼稚園や学校に行く前に15分間の練習をする、朝に音階練習だけを行う、などがあります。

 

ただし、朝の忙しい時間にバイオリンの練習を行う場合は、親御さんのサポートが何よりも重要です。

 

親御さんが子供に対して、「練習は朝にやるものだよ」という考え方を早い段階から伝えることで、子供は習慣として朝に練習をすることに慣れていきます。

 

朝の練習は忙しい時期かもしれませんが、親御さんが子供たちと共に練習を行い、楽しい時間にしてあげることで、子供たちは自主的に朝に練習を行うようになるでしょう。

夕方に練習する方法

夕方にバイオリンの練習を取り入れる方法として、我が家では「晩御飯前の18時に練習をする」と決めたら、必ず18時に練習するように心掛けます。

 

このように家族で決めたルールを守ることが重要です。

 

遊びに出かけていた場合でも、18時までには帰るように調整する努力をし、友達が家に遊びに来ていたとしても、18時前には帰ってもらうようにするなど、家族全員でルールを守ることが大切です。

他人と比較しない

親御様も多忙な日常の中で、仕事や他の兄弟の用事、送迎などが重なり、バイオリンの練習だけに十分な時間を割くことが難しいことでしょう。そんなときは、できるだけ自分のペースで、自分に合った範囲で取り組むことが大切です。

 

他のお子さんが上手だったり、成績が良かったりすることを見て、「なんでうちの子は上手にならないのか」「他の子はあんなに上手なのにうちの子は…」と自分の子供を他人と比較してしまうのは自然な気持ちかもしれません。

 

しかし、他人との比較は子供の成長には繋がりません。

 

子供はそれぞれ個性があり、成長のペースも異なります。他の子供と比べて上手さや進捗の速さが違っても、それは自然なことです。重要なのは、自分の子供が日々少しずつ積み重ねた努力をすることであり、自分のペースで進んでいくことです。

 

バイオリンの練習は時間と努力が必要なものですが、親御様のサポートと子供の自主性が重要な要素です。

子供が自分のペースで楽しく練習を続けることで、必ず成果が現れるでしょう。

 

他人との比較をせず、子供の成長に寄り添いながら、自分のペースで進めることが大切です。

 

子供の努力を尊重し、小さな成功を喜び、日々の練習を応援してあげましょう。

そうすることで、子供は自信をつけ、音楽を楽しみながら成長していくことができるでしょう。